短編小説集

★オカッパマン アベル&ぺテロ&極少カテリーナ 4/23 完結版

「…ぺテロさん何してるんですか」

バチカンでの任務中、アベルは見てしまった。

「ぬ、邪魔するな」

鏡の前に座り込み、ハサミで自分の髪を真剣にカットしているぺテロ。

「どうりで、いつもパッツンパ…と、整っているんですね。」

頬をひきつらせる自分の顔がぺテロの肩越しに鏡に映って見えた。

「ぬ、切りすぎた、貴様が話しかけるからやってしまったではないか」

「や、まったくわかりませんから大丈夫です」

ごつい手を使って小さなハサミでちゅくちゅく前髪をカットする姿がだんだん可笑しく見えてくる。
「ぺテロさん、あまり散らかすとケイトさんに叱られますよ」

アベルは笑いを堪えながら、メガネを押し上げた。
「貴様に言われずとも、掃除ぐらいする」

ふんっと鏡越しから見てくるぺテロが、頭の中で似合わないホウキとチリトリを使い鏡の前で掃除するのを想像し、アベルは逃げるように部屋を出た。

廊下を歩き一人でにやけながら、アベルは呟いた。
「カテリーナさんに教えてあげよう、今日も恐い顔しっぱなしですしね♪」

鼻歌混じりで廊下を歩く




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